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「斜陽」映画化

この前、「百年読書会」の第一回として
太宰治の「斜陽」に触れましたが、
なんと!
この「斜陽」が映画化されます。
主人公のかず子に佐藤江梨子。
弟の直治は、「デカレンジャー」の伊藤陽佑。
そこまで許そう。
がんばってもらおう。
しかし。
サトエリが夢中になる文士の上原二郎が
温水洋一というのには疑問が。
このキャスティング、
ちょっとちがうんじゃないかと……。
この前も書いたけど
いきなりキスして「しくじった。惚れちゃった」っていう人ですよ。
多くの論評により、太宰は直治にもっとも自分を投影しているとされるけど、
たしかにその出自から考えればそうだけど、
最後にどーでもいい人と自殺しちゃうところも似てるけど、
でも
女にもてて、やさぐれてる着流しの似合う文士である上原こそ、
太宰の日常をよく表していると思う。
だから、
上原は「いいオトコ」じゃないといけない。
すごく「悪いオトコ」だけど、「いいオトコ」。
つまり、
「回転木馬」のビリーみたいな人じゃないと。
このオトコにつかまったら不幸になると誰でもわかるんだけど、
それでもついていきたくなっちゃうような魅力が、
「この人、強がりいってるけど、ホントはさみしがりやなのよね」
「そのさみしさを埋めてあげられるのは、ワ・タ・シ」と
すべての女がカンチガイしちゃうような人じゃないと。
そこを温水洋一っていうのはどうなんだろうか。
私としては、役所広司、奥田瑛二、あたりがいいんですが。
役柄としては、年齢が上でもかまいませんから、中尾彬とか佐藤慶などもありですね。
知的でワイルドで高飛車で、でも女の前で自分をさらけ出して泣いちゃう、
浮気ガンガンするけど「お前だけだよ」のずるさが似合うような、
かといったら手のひら返したように暴言吐いて手をあげちゃうようなDVオトコ、
…ああ、思いっきりビリーですね。
一瞬、
このキャストを考えた人、上原の年齢だけを見て決めた?
ちゃんと「斜陽」、読んでる??
…と、叫びたくなっちゃったんですが、
監督の秋山正俊氏は2006年に「富嶽百景」も映画化してる人だし、
わかっててこのキャストなんでしょうね。
温水さんとは何作もタッグを組んでいることもあり、
「ぴったりだ!」と思うところがあったのかもしれません。
ただ、気になるのが
関係者のプロフィールに「太宰が好き」が多いこと。
ゴジラのリメイク作品もそうですが、
「好き」な気持ちだけで作ると祝祭ムード先行で
自己満足に終わる場合もあるので。
キャストでいうと、
「最後の貴婦人」として描かれている母親も、
高橋ひとみでは小粒すぎるような気がします。
「フツー」の人と、どこかちがう、特別なオーラのようなものがないと
「最後の貴婦人」にはなれないような気がします。
もう少し前なら、八千草薫でしょうけどね。
若すぎるのを敢えて承知でいえば、檀れいはどうでしょうか。
だって、
着るものとかで表現できないんですし。
病に倒れていよいよ輝く、みたいな美しさが必要ではないでしょうかね~。
そうですよ、
こういうときにこそ、吉永小百合さんの出番じゃないですか?
……などと今さら申しましても、5月9日に封切られますし、
ましてや私ごときの声がどこに届くわけでもございませんが、
でも、
予告編を見る限り、
非常に原作に忠実にシーンを作っているようなので、
だからこそ、
キャストももうひとひねり必要だったのではないかと思ったのでありました。
みなさんの健闘を祈ります。

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