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「ミルク」

今年のアカデミー賞の各賞は、
「スラムドッグ$ミリオネア」が総なめだったなか、
2部門で最優秀賞にくいこんだのが、この
「ミルク」
アメリカにおいて自分がゲイだと初めて公言したうえで公職についた
ハーヴィー・ミルクの
カミングアウトしてから10年間の軌跡だ。
アカデミー賞で最優秀主演男優賞を獲ったとき、
ショーンペンは壇上で
「アカデミーの人たちは、みなホモかコミュニスト」と
過激なジョークを言って謝辞に代えていたが、
本編を見て思うのは、
本当に、こうしたゲイ擁護一辺倒の映画が
よくノミネートされ、賞も獲れたものだと隔世の感を覚えた。
ミルクが戦った1970年代は、
黒人が公民権を獲得してから数えたって、まだ10年かそこらの時代。
同性愛が罪であるという考え方が支配していたところに
ミルクはどう風穴を開けていったのか。
と同時に、
多くの人々が、ミルクを支持したのはなぜかにも注目したい。
ミルクがアメリカの独立宣言や自由の女神の台座の文言を引用して
「平等」を説くところは説得力がある。
選挙をするのも「勝つ」より「知ってもらう」ことに意義を見出そう、と
人々の力を結集していったところなど、
マイノリティーがマジョリティーにどう理解を得るか、
その本質を映画が貫いているから、
この映画は支持されたのだろう、と想像する。
とはいえ、
いきなり男と男が街角でブチューですから。
アップですから~。
「ラ・カージュ・オ・フォール」
「ニュー・ブレイン」そして
「ミルク」と、
昨年から見るもの見るものゲイの話が多いです。
*俳優陣では、「イントゥー・ザ・ワイルド」のエミール・ハーシュと
「告発のとき」にも出ていたジェームス・フランコが印象に残りました。
4月18日より、
渋谷のシネマライズや新宿バルト9、シネカノン有楽町1丁目などで公開。
4月18日より、渋谷アップリンクにて、
1984年度アカデミー賞長編記録映画賞を受賞した
ドキュメンタリー「ハーヴェイ・ミルク」が公開されます。
(20:50よりの1日1回上映)
ショーン・ペン主演の映画にも、記録映像はかなりでてくるし、
このドキュメンタリーも参考にしたようなので、
見比べてみると面白そう。

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