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「ヘアスプレー」

渋谷のオーチャードホールで始まったばかりの「ヘアスプレー」。
2002年にブロードウェイで公開されて以来、今もロングランが続いているという大ヒット作。
TVでやっていた予告編を見ると、
1960年代のファッション、そして音楽に包まれて、
若者が陽気に踊りまくる。
中央には太った女の子。彼女もダンス、ダンス、ダンス!
それだけの話でしょ?
何でこんなに人気があるの?
・・・と思っていた私。
とんでもない誤解でした。
やっぱり5年もロングランしている作品というのは、めっちゃ奥が深い。
私は何度も涙ぐむ。
だけどもちろん、テイストは「娯楽」。
全員実力満点の役者たちが次から次へといい歌と踊りを披露。
とにかく、楽しい。心が弾む。身体も弾む。
見終わった後、心の底から幸せになれる。
また来たい。
お金と時間があったら、毎日でも見たい!
そう思わせる作品だった。
どう「深い」のか。
何が「涙」を誘ったのか。
ここに詳しく説明することもできる。
けれど、敢えてそれはやめよう。
「『ヘアスプレー』って、ものすごく楽しいらしいよ。評判いいみたいだよ」
この言葉だけで、歌好き、ダンス好き、楽しいモノ好きな人に足を運んでもらいたい。
ただ、自分のやりたいことをやろうとし、
自分の好きな人を好きといい、
その人を、応援しようとする太めの女の子とその家族の物語を見に。
主役だけではなく、すべてのキャストが素晴らしい歌とダンスを披露する。
オリジナルキャストとはちがう人もいるけれど、
オリジナルキャストのCDと聞き比べたって全然遜色ない。
今回がツアー初参加の人がすごくうまかったりして、
アメリカのミュージカル市場の層の厚さを実感。
ある時はゴスペルに泣き、
ある時はフレッドアステアに酔い、
ある時はシュープリームスに身体が勝手に踊り出す。
そしてエルビスプレスリーにノックアウト!
すべての楽曲が新しく作曲されたとは思えないほど、
1960年代の味を出しながら、そこに「スタンダード」とはちがったスパイスが効いている。
「楽しい」を目指していったら
たくさん大切なメッセージをもらうことができる。
説教臭くもなく。
政治的なアジテーションもなく。
日本人が、ヒロシマと聞けば誰でも連想するように
「1962年」と「ボルチモア」は、それだけでアメリカの歴史を連想させる。
アメリカ人はすぐにわかるかもしれない。
多くの日本人には、わからないだろう。
わからなくていい。
それでも、メッセージは伝わる。
過去のことではなく、「今」にも通じることだから。
ぜひ、舞台へ。
ステージ両側に据えられた日本語訳が、おもしろく、過不足なく内容を伝えてくれる。
私は今までこうした日本語訳の電光掲示板をわずらわしく感じてきたが、
今回はとてもよかった。
身体と頭と、そしてハートと。
五感全部を使って「ヘアスプレー」を堪能できたと思う。
1960年代のファッション、そして音楽に包まれて、
若者が陽気に踊りまくる。
バービー人形のような女の子も、手足の長いイケメン黒人もいる。
よく見れば、ダイナマイトバディのグレートマザー系オバサンも、髪の毛を七三に分けたおじさんも、
メガネをかけた小柄なユダヤ人もいる。
中央には太った女の子。
皆そろって、ダンス、ダンス、ダンス!
予告編で流れているのはフィナーレ近くのダンスシーンだった。
最初から最後まで舞台を体験した人だけが、
この場面からあふれ出る歓びの本当の意味を知ることができます。
(そして観客も一緒に踊れるんですよ!)

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