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「ラスト・ゲーム」@青山劇場

D‐BOYSの公演は初めて。
舞台「テニスの王子様」、「仮面ライダー」シリーズ、戦隊ものなどで
活躍している人が多い。
一緒に見に行った娘は、かなり知ってるメンバーが多かった。
話は戦時中(昭和18年)、学徒出陣直前に行われた「最後の早慶戦」。
たまにユルく笑えるつくりになっていますが、
全体にはマジメなお話です。
登場人物の衣裳も野球のユニフォームか詰襟か軍服か、みたいな感じで、
出ている男の子たちのだれがどの役か、
なかなか判別できないくらい。
あとでパンフレットを見ると、
みんな茶髪でクールでモデル並にカッコいいから
ビックリしちゃう。
そのくらい、役作りもちゃんとしていました。
ダンスはみんなうまかった。
身体能力高い人が多いから、「軍事教練」の場面も手抜きなし。
歌は一生懸命歌ってましたが、「それなり」の人が多かった。
ゲスト出演の山崎育三郎が冒頭で歌う歌がメチャメチャ上手かったのは別格として、
早稲田のエースながら肩を負傷してマネージャーになる「相本」を演じた
瀬戸康史と、
学徒動員が始まる前に志願兵になる「安部」(彼は野球部ではない)を演じた
橋本汰斗がいい声をしていた。
特に橋本は、役柄的には道化役というか、
静岡訛りでしゃべり、野球をやれば「いつも球拾いだった」という
憎めないけど金魚のフン的な雰囲気をかもし出していて、
重要な役柄ではあったけれど、決して「カッコいい」役ではなかった。
それでも
「あれ? すごくいい声、誰の声?」とみると橋本だったし、
その橋本に注目して見ると、ダンスの切れも抜群だった。
その上、
あとからパンフレットで確認したら、めちゃくちゃイケメンじゃん!
何これ!? あの三枚目ぶりは、全部演技だったってわけ??
私はまた、
「歌も踊りも抜群だけど、あの顔じゃ主役はとれなかったのね」みたいに思って
舞台を眺めていたというのに……。
あの役は、彼じゃなくちゃ務まらなかったってことですね。
「彼じゃなくちゃ」といえば、
「テニプリ」初代リョーマ役の柳浩太郎もすごかった。
この前「徹子の部屋」を偶然見ていて知ったけど、
彼は事故に遭って生死の境をさまよい、生還後も後遺症が残り、という中、
舞台に戻ってきた経緯があるんですね。
言語や身体の動きに不自由さが見てとれるものの、
彼の舞台勘はすごいな、と思う。
「ケイオー」という役(現代の人間で、ハンドルネームが「ケイオー」)は
初演で自分が作りあげたキャラ、ということで、
身体的な不自由さも含め「俺でなければやれない」キャラを作ろうと
気概を持って臨んだ、というだけある。
彼は「障害、役者」という本も出して
体が元には戻れなくても役者としてずっと生きると決めてやっているが、
彼にミュージカルで大役は無理かもしれないとしても、
役者同士の間合い、そして観客の空気を読む力は、
ストレートプレイで素晴らしいセンスを発揮するだろう。
これからが楽しみ。
ちなみに、
娘のイチオシは碓井将太。
「顔がキレイすぎる!」ということです。
舞台がはねると、出演者から数人が
着替えをしてロビーで「さよなら」のご挨拶をしてくれます。
お時間のある方は、間近で彼らを見るチャンスです。
個人的思い入れですが……
早稲田の応援団長は、もっとオーラありますよ。
体の使い方がハンパないですし、その迫力に、
「絶対応援しなくちゃ」という気持ちを周囲に持たせるだけの
カリスマ性があります。
今回の(ていうか、初演も)足立理は、
早稲田っていうより慶応ボーイっぽかったなー。
彼だけじゃなく、
数人が並んでやるコンバットマーチも、
腰の入れ方、腕の振り方、中途半端でした。
太鼓たたく人は、かっこよかった。
私はこの応援団長とコンバットマーチの件で、
かなりリアリティーを失ってしまいました。
舞台って
ある種どうでもいいような瑣末なところで
吸引力を作ったり失ったりするんだな、と
改めて思った次第です。

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