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「毛皮のエロス」と「リトル・チルドレン」


毛皮のエロス ~ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト~
実在の女性写真家ダイアン・アーバスの生涯をヒントに作られたこの作品。
私は試写で見たのですが、久々に、ものすごく心に残った洋画でした。
ダイアン・アーバスという女性写真家が実際にいて、
その人の人生をヒントに作られた映画なのですが、
写真家としてキャリアを積んでいく様子ではなく、
女なら良妻賢母になるのが当然、と思って専業主婦になった女性が
本当に自分がやりたいことは何なのか、
自我に芽生え、自分らしく生きようとするその決断までのストーリーになっています。
フォトスタジオを経営する夫が、
そのスタジオで毛皮のファッションショーを開く。
彼の助手をしているディアン(ニコール・キッドマン)がショーについて説明していると、
参加者から質問が飛ぶ。
「それで、あなたのお仕事は?」
にこやかに語っていたディアンが、急に口ごもってしまいます。
自分は何をやっているんだろう。
彼の手伝いをして、
子どもの世話をして、
家事をして・・・。
それが、私?
「あなたのお仕事は?」と言われて「自分」を紹介するのに、
これだけのコトバしかないの?
「もう一度写真の学校に行けば?」などとやさしく声をかけてくれる夫。
でもディアンは
「いいのよ」と断ります。
自分の中の葛藤。
自分の中の価値観との葛藤。
そして、
それはある時、突然やってくる。
奇妙な隣人との出会い。
監督のスティーヴン・シャインバーグは、
この映画を「不思議の国のアリス」になぞらえて作ったと言います。
「窓」や「鍵」は、そうしたモチーフの一つ。
一歩足を踏み出せば、
ディアンに迷いはありません。
180度変わってしまった妻の日常に、
夫はただ、戸惑うばかり。
むさぼるように、自分の人生を生き直すディアンの目の輝きが、
本当に印象的です。
きのうご紹介した「リトル・チルドレン」も、
この「毛皮のエロス」も、
子持ちの専業主婦の自分探し、というテーマは同じながら、
つかんだものの質も、そして結末も、
まったく違うところが面白いです。
ぜひ、二つを見比べてみてください。
どちらも、リアルです。
「毛皮のエロス」については、公開時にあわせて「Wife」の326号に映画評を書きました。
(最新号には『魔笛』を書いています)

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