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第43回「思い出のメロディー」@NHK

私も年をとったのでしょうか。
「思い出のメロディー」なぞを見るようになってしまいました。
といっても、
若い歌手も出てましたけどね。
見るのどーしよーかと思いましたが、見てしまった。
見てよかった。
歌のうまい歌手っていうのは、ほんとうにうまいと感心した。
布施明の「積木の部屋」は、
ヒット当時とまったく声が変わらないんじゃないかと感嘆。
この後に歌う人は大変だろうと思ったら、
なんと長谷川きよしが「愛の讃歌」をギターをかきならしながら熱唱!
この連続にはまいりました。
まいったといえば、天童よしみ
村田英雄の「王将」を全曲歌いきりました。
出てきたときから顔つきが違ってた。男歌だからか、と思いましたが、
尋常でない意気込みでこの歌に取り組んだのでしょう。
歌いきったときの「出し切った!」とういう満足な瞳のきらめきが
とてもまぶしかったです。
天童さん、すばらしい歌手になったな、と改めて思いました。
女性演歌歌手では、ほかに大月みや子がよかった。
「君の名は」を非常に上品に歌い上げました。
聞かせましたね~。
男性歌手では、氷川きよしです。
氷川の歌う「ズンドコ節」がよかったので、
直後の大トリ、五木さんがちょっとかすんでしまったほどでした。
この「きよしのズンドコ節」は、ヒット当時、
彼が「ドリフのズンドコ節ではなく、最初のズンドコ節に忠実に歌うようにしている」
と言っていたのを覚えています。
まだ20代だった氷川が、何を古臭い歌い方で歌うのか、と
私はちょっと首をかしげたものです。それほどいいとも思わなかった。
あの「き・よ・し!」っていう掛け声のところで首を振るのもヘンだと思った。
でも、
今回、ほとんどラジオのようにして歌を聴いていたら、
彼の素晴らしい声量と、丁寧な発声とが織りなす「ズンドコ節」は一級品で、
ああ、
昔のうまい人の歌い方を継承できる人というのは、歌手の中の歌手なんだな、
その重大な使命を20代で与えられた氷川きよしという歌手は、
並大抵の歌手ではないな、と
本当に敬服しました。
ほかにも、思うところはありました。
歌詞について。
一つは「アンパンマン」
被災地の避難所にいる子どもたちのためにアニメの歌を届けたら、
子どもが歌いだすだけでなく、
大人が聞き入って涙を流したという「アンパンマン」の歌。
「何が君の幸せ? 何をして喜ぶ?」で始まるこの歌の歌詞は、
完全自己犠牲の歌。まあ、アンパンマンは自分の顔を食べてもらうんだから、
究極の自己犠牲なわけで、それを体現しているわけです。
だから、子どものアニメの歌としては、けっこう暗い。
そうなの。能天気に笑って歌える歌詞じゃないんですよ。だから
放送当時はどちらかというとマーチ風の「アンパンマンは君っさー!」という
エンディングの歌のほうが好きだった。
でも、
被災地の人には絶望の中で寄り添ってくれ、励まして一緒にいてくれる、
アンパンマンに本当に触れた思いだったのではないだろうか。
「だから君はとぶんだどこまでも。
 ああ、アンパンマン、やさしい君は行け、
 みんなの夢、守るため」
寄り添ってくれたアンパンマンだったのが、
いつのまにか自分こそアンパンマンになっている。
そうだ、自分は飛ぶんだ、みんなのために、と思える歌になっている。
すごいぞ、やなせたかし
もう1曲。
KANの「愛は勝つ」
ヒット当時は「やまだかつてないテレビ」というお笑い番組から出たこともあり、
またバブルノリノリの頃だったこともあり、
「し~んぱ~いないからね~♪」という歌いだしの軽さと、
「最後に愛は勝つ~♪」という
タイトルなんだから変えようもない楽観主義的な結びが印象的で、
とにかくコンパで皆で大声で騒いで歌う歌だと思っていた。
けれど、
今聞くと、その曲調は非常に複雑で意匠を凝らしてあり、
歌詞も深い。
「傷つけ傷ついて/愛する切なさに/すこしつかれても」
「もう一度夢見よう/愛されるよろこびを知っているのなら」
「求めてうばわれて/与えてうらぎられ/愛は育つもの
「遠ければ遠いほど/勝ちとるよろこびは/きっと大きいだろう」
「ど~んな~に困難で~♪」っていうところも、
「こんなんでました」的に笑顔で歌っていた自分が恥ずかし~!
ああ、私は何を聴いていたのだろう。
いい歌は、自然と歌い継がれ、残っていくものだな、と思ったとともに、
この番組で出てきた多くの昔の曲が
「ものまね王座決定戦」をはじめとするものまね番組によって
人々の記憶に連綿と刷り込まれてきたことを忘れてはならないと思った。
特に演歌歌手は、本当にテレビでの歌う場所を失って久しい。
本物はみたことなくても
コロッケの千昌男や清水アキラの村田英雄は知っている、
という若者は多いはずだ。
歌の力だけでなく、歌手の力をリスペクトしなぞったからこそできるものまね。
色物であっても、そこに文化の継承の核心があり、
本物の歌、本物の歌手のオリジナリティを損ねていないことを再認識した。
あっというまの2時間半。
楽しめました。
8/13夜にテレビで放送されたこの番組は、
8/20、ラジオで午後7時半から再放送されるそうです。

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