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「プリンス・オブ・エジプト」と「十戒」


プリンス・オブ・エジプト
「エジプトにいるヘブライ人(ユダヤ人)の男の子は全員殺せ」
という命令から生まれたばかりの我が子を救うため、
母が葦舟にかくして流したところ、
その命令を出した王の妻が拾って育てる。
その男の子がモーゼ。
長じて出自にめざめ、兄弟として育った新王と対立していく、という話です。
かの有名なチャールストン・ヘストン主演の映画「十戒」と同じく
旧約聖書「出エジプト記」が原典となっています。
つまり、完全なる宗教経典翻案アニメなわけで。
私みたいに、一種の「宗教アレルギー」がある人間は、
「聖書をアニメ化した!」とか宣伝されると敬遠してしまいがちですが、
「聖人」映画だと、比較的すんなり受け入れられるんだよね。
「空海」や「鑑真」も、「マザー・テレサ」も「ガンジー」も、
「神」じゃなくて「信仰篤い人々」の映画なら受け入れられるっていう考え方。
「十戒」も「旧約聖書」の映画じゃなくて、「モーゼ」の映画だと思っていた。
そこへ、「プリンス・オブ・エジプト」。
「エジプトの王子様」の話だと思って見るじゃないですか。
そこへ、モーゼ登場!
予備知識がまったくなかった私は、
「えっ、モーゼってこんな生い立ちなワケ? 大胆なフィクションやな~」
なんておバカな勘違いをしながら見ていました。
モーゼといえば、海が割れる、あのシーンしか知らなかったから。

あとから「十戒」をもう一度ちゃんと見たら、
アニメと寸分たがわぬストーリーでありました。
ていうか、アニメがリメイク?
「エジプトの王子」役は、ユル・ブリナー。そういえば、そうだったと思い出したー。
もっと前(1923)にも、同名の映画があったということで、
それも見てみたい人は、十戒 製作50周年記念版
を。二つの映画とも収録されています。

私は「聖人」の話として見る、と言いましたが、
アメリカでの「プリンス・オブ・エジプト」の見られ方ってどんなものなのかな。
キリスト教への信仰心が篤い親は、聖書の話だから、と安心して子どもに与えたかも。
小さい頃親に聞かされたお話をアニメで追体験した人もいたかも。
逆に、違う宗教を信じている人にとってはどうだったのか。
ディズニーだと思って、気軽に与えて、
あとから「えーっ・?」っと思った親もいるかもしれない。
このアニメを製作したドリームワークスは、
その立ち上げにスピルバーグが参画しています。
旧約聖書というのは、キリスト教の経典である前に、
ユダヤ教の経典。
ユダヤ系の彼にも、何らかのこだわりがあって作られたものなのでしょうか。
それとも。
私たちが、その元となる宗教のことなどあまり考えずに
昔話の一つとして「いなばのシロウサギ」を知ったりするのと
同じくらい色のないものなのでしょうか。
映画って、深い・・・。わからないこと、いっぱい。

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